ストレートラブ





「話がぶっとんだようね」



ついていけない、という顔をする夏生。



「式には俺も呼んでください!」



嬉しそうにあたしと山下くんの顔を交互に見る里津くん。



「そこまでは言ってないから」



ため息混じりでそう言った山下くん。



「でも、山下くんの彼女になるってことは決定だよね?」



「そうなんじゃね?」



「山下くんの彼女~山下くんの彼女~♪」



なんていい響きなの。こんな日が来てくれることを願っていたけど、まさかこんなに胸が温かくなるなんて、思いもしなかったよ。



「では早速、初めてのチューをしましょうか♪」



「は?」



「ほらほら、チューチュー!」



「しないから。さっさと片付け行くぞ。内丸先輩に怒られる」



「え~!?こんな日くらいいいじゃん!」



「コラァ!滝沢ぁ!」



ひぃぃ!噂をすれば、うっちー先輩に呼ばれた。



「お前片付けサボってんなよ」



「て、てへ★恋の油を売ってたっていうか~って、聞いてください!あたし……」



「あーおめでとうな。よかったじゃねぇか」



「ありがとうございます!うっちー先輩の挨拶を聞いてたら、いてもたってもいられなくて!」





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