ストレートラブ





「は……発見した…」



目の前には山下くんの靴箱。中には予想通り白い封筒がある。



あたしは、誰も周りにいないか確認をして、山下くんの靴箱に手を伸ばした。



「………何」



すると、背後から大好きな甘い声が聞こえた。振り返ると、やっぱり予想的中。



「山下くんっ!」



「………何してんの」



「あっ!これはね、山下くんの靴箱に果たし状が届いてるから、あたしが除去しようと思って!」



「………は?」



無表情がさらに険しい顔になる。だけど、あたしの胸は高鳴るばかり。もちろん、好きの意味で!



「………ざい」



「え?」



「………ウザい」



山下くんが眉間にシワを寄せて呟いた。



ストレートにあたしの胸には矢が射し込まれた。太く深い、いつまでも残り続けて傷になりそう。





< 34 / 332 >

この作品をシェア

pagetop