ストレートラブ
「は……発見した…」
目の前には山下くんの靴箱。中には予想通り白い封筒がある。
あたしは、誰も周りにいないか確認をして、山下くんの靴箱に手を伸ばした。
「………何」
すると、背後から大好きな甘い声が聞こえた。振り返ると、やっぱり予想的中。
「山下くんっ!」
「………何してんの」
「あっ!これはね、山下くんの靴箱に果たし状が届いてるから、あたしが除去しようと思って!」
「………は?」
無表情がさらに険しい顔になる。だけど、あたしの胸は高鳴るばかり。もちろん、好きの意味で!
「………ざい」
「え?」
「………ウザい」
山下くんが眉間にシワを寄せて呟いた。
ストレートにあたしの胸には矢が射し込まれた。太く深い、いつまでも残り続けて傷になりそう。