ストレートラブ
「ね!どう思う!?」
「……どう思うも何も、山下くんの靴箱に手を伸ばしたアンタが悪いじゃん」
次の日、教室で昨日の出来事を話すあたしを見て、ふぅっとため息をつく夏生。
「あたしは山下くんが害虫に汚されないように、除去作業をしたかっただけなの!」
「沙良こそ害虫だから」
「ひた向きに山下くんを想ってるのにぃ~」
何気なく外を見ると、体育服に身を包む山下くんがいた。くぅぅ…ウザいって言われたけど…胸は高鳴る。
「あ、山下くん達次体育?」
「そうみたい。……あ!あのコ羨ましいんですけどっ!山下くんの近くにいるじゃんっ」
「……沙良、あれ…結構距離あるよ」
「あたしにとっては10mも1cmも変わらないんだから!」
「あたし、アンタの恋愛方程式はさっぱりわからないわ」
夏生は頭を抱えて肩を下ろした。