ストレートラブ
辺りを見渡すが、山下くんの姿はない。山下くんに会いた過ぎて幻聴まで聞こえちゃったんだね、あたし。
恋患いって不思議。この病名は、名付けて!あたし専用の山下くん大好き症候…
「……ラブレター、一生懸命書いたのに…っ!」
「そうよ。このコ頑張ってたんだからっ」
2人の女のコの声が聞こえる。ん?ラブレター?あ!!あの女のコ達なのかな!?
しかし、声だけは聞こえるから近くにいることは確かだけど、姿は見当たらない。
……と思ったら、
ドンッ
誰かとぶつかった。ほんのり甘い香りが漂った主を見てみると、ラブレターのコだった。
「ちょっと大丈夫?美南っ」
「う、うんっ」
涙を浮かべた美南ってコに、隣にいた友達が声をかけ、2人は走り去っていった。
ちょっと、待ってよ。ぶつかったら謝るのが礼儀でしょ?