ストレートラブ
「ねぇ、夏生はどう思う?」
「アンタのソレは聞き飽」
「山下く〜ん、こっち見て〜!」
「……聞いてないし」
夏生にバシッと頭を叩かれた気がしたが気にせず、目に移る愛しい人を見つめる。
いつものように、山下くんの教室の窓に顔をへばりつけていた時、
「あ!あれ、昨日のラブレター少女達だ!」
コソコソして山下くんを見つめる2人組を発見した。正々堂々としていればいいのに。
2人以外にも、山下くんへの視線を感じられるが…
「山下くん、鈍感だね」
夏生の言葉に賛成の旗を挙げた。本当に気づかなすぎるよね。でもそんな山下くんだからこそ、惹かれたんだ♪
「山下く〜んっ!」
名前を呼んで、愛の投げキッスを届けた……が、
無反応に終わってしまったことは言うまでもなかった。