ストレートラブ





────────放課後



「うぇ〜ん…しぇんしぇい、助けてぇ」



「授業に集中しないお前が悪い」



「今日くらい見逃…」



「無理だ。今、お前を逃すわけにはいかないからな」



「何でですか?」



「お前の将来が心配だからに決まってんだろ」



じゃあな!と言い、校庭の隅にあたしを残して去った先生。



校庭より、山下くんのクラスをお掃除するとか、山下くんの机をピカピカにするとかだったらいいのに!



それなら、やる気も俄然アップTHEアップするし、山下くんからの愛も芽生えちゃうかもしれないし?



「よし!山下くんのことを考えながら草取りだっ♪愛が溢れて校庭中の草が全部無くなっちゃうかも〜っ!」



あたしはガッツポーズをして、草取りに励み始めた。





< 54 / 332 >

この作品をシェア

pagetop