ストレートラブ





話を聞いていると、男子生徒から放課後と体育館裏の単語が聞こえた。



放課後に体育館裏に呼び出し…喧嘩の呼び出しであるシチュエーションだ。



やだやだ!山下くんを止めなくちゃ。あたしは持ち場を離れて、山下くん達がいる場所へ…



「山下くん、行っちゃダ…ってアレ?」



しかし、山下くん達はもういなかった。夕焼けに染まる地面も道しるべを残していない。



「ど〜うか、山下くんが行きませんように!」



軍手にジャージ姿という最高のファッションで空に向かって、山下くんの未来の無事を強く祈った。



───────…



「夏生、今何限目!?」



「まだ2限目。さっきも聞いたよね?」



「だって、放課後に山下くんの命が狙われちゃうんだよ!?何としてでもお助けせねばっ!」



「……アンタ、山下くんの何よ」



「決まってるよ!花嫁候補っ♪」





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