ストレートラブ





────────放課後



「じゃ、あたし行ってくる!」



「一方的な護衛頑張って」



夏生から不器用なお言葉を頂いて教室を後にした。あたしは、100m測定の時よりもはるかに全速力で走り出した。



山下くんの身に何かあったら、ただじゃ済まさないんだからね、男子生徒3人組!



そして、体育館付近について足を止めた。一度深呼吸をして、忍者のように体育館裏に入り込んだ。



“山下くんはあたしが助ける!”



だが…



「あ、れれれれ?」



なんと、体育館裏には誰もいなかったのだ。どんなに辺りを見渡しても…愛しの山下くんの姿は…ない。



「もしかして…や、山下きゅん…誘拐されちゃったのかも!!」



あたしの頭は大パニック!数学を解くよりも思考回路が発達しだした。





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