ストレートラブ





「ねぇ、山下くんは何か悪いことでもしたの?」



「関係ない」



じぃっと見つめても、山下くんは無反応。あれれ?雑誌に、目を見つめていると相手を虜に出来るって書いてあったんだけどな…効いてないよ。



関係ない、の一点張り。そりゃ山下くんにとってあたしの存在は、里津くんの姉の夏生の友達に過ぎないけど…



あたしは違うもん。山下くんのことが本当に心の底から心配なんだもん。



「……はぁ」



すると、眉間に皺を寄せて山下くんがため息をついた。



「……放課後じゃなくて昼休み」



え?これって話始めてくれてる感じ!?あれ?昼休みって…あたしの聞き間違いだったんだ。



「生意気だって」



「誰が?」



「俺」



「なんで山下くんが?」



「知らねーよ」





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