ストレートラブ
「かんゆー?誘拐の間違いじゃなくて!?」
「だから違うって言ってんだろ!山下が部に入れば、空手部の名も広げられるだろ」
「だけど、山下くんに生意気って言ったそうじゃない!?それは何なのよっ」
「生意気?あぁ、それは空手部に入んないとは生意気だなって言ったんだよ」
な、何それ。
「アンタ達、ふざけないでよ。山下くんは生意気って言われて傷ついたんだよ!ね、山下くん!」
「いや、全然」
立ち上がった山下くんは、ケロッとして言い放った。細川くん達はケラケラ笑う。
「山下、お前マジでもう空手やんねーのか?勿体ないぞ?」
「すみませんが、空手はもう…中学の時で十分です」
「ったく。でもまだ勧誘するけどな!あっ!またあの技、教えてくれよ?」
「はい」
なになになに!!話が収まってるじゃん!ちょっと待ってよ!あたしにはまだ納得いかない点があるんだから!