ストレートラブ
じゃ、と残して山下くんは公園を去った。残ったのはあたしと…中3のガキ。
「………ねぇ、アンタ」
「………何よ、オバサン」
「アンタに負けないから!」
「フンッ、挑むところよ!」
お互い、さっきよりも遥かに勢いを増した火花を散らす。絶対に、あたしの方が想う気持ちは大きいんだから!
「綾ガキ、アンタには勝つわ!」
「オバサンのパワーじゃ無理!」
公園の出口へ向かう途中も、お互いの顔を睨みながら言い合い。これって、似た者同士って言うのかしら?
「あたしは同じ学校だから、いっぱいアタックできるのよ♪」
「あたしは近所で“ナイト”っていう夜の時間があるもん♪」
どちらも一歩も譲らない。それは山下くんへの恋心が表れている証拠なんだ。