ぼやっと君としゃきっとちゃん
『なん、で?』
私は素直に驚いた。
なんでコイツがここにいる?
こんな時間まで
学校にいる生徒は私くらいだと思い込んでいた。
『杏里まだ帰らないの?』
『それはこっちの台詞だ!一般生徒の下校時間はとっくに過ぎている!』
『だって屋上から見てたらここの教室の明かりだけずっとついてて杏里いるのかなあって思ったから。』
『生徒会室にいるのは、私だけじゃない。他の役員も出入りしている。だいたい、私じゃないヤツがいたらお前が残っていたのは無駄な時間じゃないか。』
少し冷たく言ったはずだった。
『でも、杏里かもしれないじゃん。』
『…は?』
『杏里じゃなくても杏里がいるかもしれないなら、俺にとっては無駄な時間なんかじゃない。』
『…ッ!だっ…だいたい!私はお前に生徒会長であることを言った覚えはない!なんで、』
その言葉を遮るように
日向は言った。
『だって、みんな杏里のこと知ってたから。』