好きの言い方も知らずに。
『そうかな?』
まったくと言ってそんな感じもなかったけれど。
『まあ、いい。湊は俺と話すよりあいつらと話す方が楽しそうだからな』
そう呟くようなチャットの言葉に、あたしはドキドキと胸が高鳴る。
『あたしは諒くんとお話したいんだけれどなあ……』
あたしは普段言わないような言葉でさえも、貴方の為なら言えてしまう。
少し、間が空いてから諒くんはいつもこう答える。
『そうか。ならよかった』
『うん』
いつも遠慮がちなところも、あたしの心を引き付ける。