好きの言い方も知らずに。
休日を待つあたしも、普段は普通の高校生であって。
「碧ー!英語のワーク出した?」
廊下から教室に向かって叫ぶあたしの友達のユウリ。
当然やっているわけもなく、急いで首を横に振る。
それを見たユウリはあたしの席までやってきてワークを机の上に広げた。
「さて、一緒にやろ?」
笑いかけるユウリにあたしもワークを取り出し広げる。
あたしは、高校二年の夏休み明けから仲のよかったグループに仲間外れにされていた。
それを見兼ねたユウリがクラスの違うあたしと仲良くしてくれている。
あたしにとってユウリは心強い味方。