好きの言い方も知らずに。
諒くんとはチャットをしながらメールもしていたから、チャットでは話題なんてあまりなかった。
全部といっていいほどお互いのことを知ってしまったし、いつもチャットをしているため、常連さんと話すだけだった。
冬休みが近づいてきて、諒くんはこうあたしに切り出した。
『ねえ、湊さ冬休み俺のところに来ない?』
メールの文を見てあたしは心臓の音が高鳴るのがわかる。
…会おうってこと、だよね?
意味を理解しながらどうするべきかあたしは迷っていた。