好きの言い方も知らずに。



彼氏さんの名前はレンくんというらしい。


ニコニコとコーヒーを啜る大人なレンくんはあたしにとても気を使ってくれた。


「碧っていい子でしょ?」


ねっ?と小首を傾げるユウリの仕草にレンくんは少し照れたように赤くなった。


……あっ、この人女の子慣れしてないんだなあ。


すぐにわかってしまう。レンくんを珍しい目で見ていたあたしに、ユウリはレンくんに話し始めた。


「ねえ、レンくんっ。旅行しない?碧と私達三人で!」


ユウリの唐突な提案にレンくんは相当驚いているみたいだった。




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