好きの言い方も知らずに。



あたしが二人の話に割って入り事情を話す。


「……ということなんです」


「なるほどね。俺は大丈夫だよ」


ニッコリと微笑んだレンくんを見て大人なんだなあ、と思ってあたしはユウリを見た。


レンくんはユウリにベタ惚れで、ユウリの我が儘を聞けてしまうんだなあ。


旅行の計画をばっさりと決めたあと、あたし達はまた後日細かいことは決めるということでカフェを出た。


二人とあたしは別々の帰路に着く。


正反対の道をゆく二人の手も繋いでいない後ろ姿を見つめながらあたしは自然と笑みが零れた。




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