好きの言い方も知らずに。
あたしと彼
ユウリがあたしの顔を覗き込む。
「どーかした?」
頬杖をついてゆっくりとアーモンドチョコレートを口に入れるあたし。
「なんにもないよ?」
そんな返事をすると、ユウリはつまらなそうに「そっか」と一言。
ユウリが彼氏さんとのノロケ話を始めると、あたしの脳内は地球滅亡のことを考え出した。
この地球がなくなると、あたしは生まれ変わることもできなくなる。
あのお花にも、隣のクラスの佐藤くんもゆみちゃんも、それにあそこにいる猫も。
みんな生まれ変わることなんてできない。
あたしがどうしてこんなことを言い出すのかには理由が一つ。
昨日のチャットで諒くんが地球滅亡のことを語ってくれたから。
あたしの脳みそには耐え切れなくて途中から記憶がないのだけれど、結論は逃さず聞けた。
『いつか、生まれ変わったら湊に触れられるような存在になりたいから地球滅亡は反対だな。』
なんて嬉しいことを諒くんが言ってくれたから。
あ、また心臓がうるさくなった。