好きの言い方も知らずに。



相変わらずユウリは三人で旅行するという話を膨らませる。


「そしたら、ここ行くでしょ?あ、ホテルはどうする?」


パンフレットを広げて話を進めるユウリに頬が緩む彼氏さん。

何気にユウリみたいな振り回すタイプの方が彼氏のレンくんには合っているのかもしれない。

そんな二人が微笑ましくて、あたしはあえて話には入らなかった。


「碧ちゃん大丈夫?」


黙って二人の様子を見ていたあたしにレンくんが気づいたのか声を掛けてくれた。


「あ、大丈夫です」


「もー!碧聞いてなかったでしょう!」


頬っぺたを膨らませて怒るユウリを見てデレデレのレンくん。

二人の話に入りながらあたしも旅行でどこに行くのか考えていた。



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