執事と共に賭け事を。
――2ラウンド目。


ツバキは、カクテルに口をつけない春樹にテキーラのショットを差し出した。

ショットは2つ用意されている。

喉を焼くほどの強い酒。

ツバキは水でもあおるかのようにそれを飲み干した。


「私だけ酔わせるなんて、フェアじゃないわよね」


と、赤い爪が差し出すショットを、春樹も同じように煽った。


「昔を、思い出すわね……。さ、貴方の番よ」


春樹は、黙ってダーツを構えた。
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