執事と共に賭け事を。
「遊びたい?」


と、首を傾げた恵理夜の耳元で春樹が囁いた。


「カジノです」

「カジノ?」


恵理夜は、ますますわからない、と祖父を見た。


「この船の娯楽施設のほとんどがカジノで占められておる。一人で楽しむものから、家族までが楽しめるように、という目的で作られてるんじゃ。最も、日本でカジノそのものは違法じゃから、ここではカジノのゲームのみが楽しめる施設、という名目じゃがの」


恵理夜は、わかったようなわからないような顔で曖昧に頷いた。
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