執事と共に賭け事を。
おざなりなボディチェックではない。

精密な金属探知機と熟練したガードマンによるボディチェックだ。

恵理夜はすんなり通ったが、春樹はそうも行かなかった。

――ヴィーーーー

けたたましい音を立てて金属探知機が反応する。


「申し訳ございませんお客様、こちらでの危険物の持ち込みは禁止とされております。アクセサリーなどのお召し物以外で反応するものがあります。お出しください」


精密な金属探知機は、服の装飾に使われる金属には反応しない。

しかし、武器になりえる金属には過敏に反応した。

係員が春樹の腰に手を回す。


ナイフが出てきた。
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