執事と共に賭け事を。
「とても、エスコート上手な方ね」

「ええ、完璧です」

「貴方がそんな言葉を言うなんて」

「素直な感想ですよ。完璧すぎて、不自然なくらいに」


眉を寄せる春樹に、恵理夜も不安を感じた。


「薬を飲んで、少し休みましょう。日が落ちる頃には良くなります」


春樹は、恵理夜を安心させるようにそう言った。


「さあ、こっちだ」


鍵を手にしたヒガキが戻ってきた。

そして、迷いのない足で先導を始めた。
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