彼を捕まえろ!〜俺様男はハート泥棒〜



私は重い足取りで2人のいる所まで近づいていく



「菜々、教科書借りれた?」


「うん…」



本当に優ちゃんって綺麗だなぁ…



このまま行くと斗真くんは優ちゃんを好きになっちゃうんじゃないかな



そう思いながら斗真くんに視線を移す



「お前、さっきあいつと何話してたの?」


「え?」



斗真くんが私がここに来る前に話していた男子に視線を送る



う…


そんなの言いたくない


優ちゃんと斗真くんがお似合いだなんて


思ってても!わかってても!口が裂けても言いたくない!


いや言うもんか!



「なーんにも」



私はそう言って首を横にブンブン振る



すると斗真くんは顔をしかめながら



「何にもってことはないだろ?あんだけ楽しそうに話してて」



は?それはこっちのセリフだよ!



優ちゃんと楽しそうに話してるのはそっちじゃんか



「だって楽しかったんだもーん」



腹が立って、思わず違う方向に意地をはる



うう、我ながら嫉妬心丸出し…



そんなことを思ってると



「ぷっ…」


え?


優ちゃん?





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