彼を捕まえろ!〜俺様男はハート泥棒〜



お昼休みになって学食に向かおうと教室を出ようとしていたら



廊下側の扉に近い席に座っている斗真くんに、他のクラスの女子が話し掛けているのを見つけた



また裏庭にお誘いかな?


そんなことを思いながら通りすがりを装って、耳に神経を集中させて話を盗み聞きする



「無理、パス」


「え〜最近、誘いに全然乗ってくれないじゃん」



やった!断ってる!


でもその女の子だけじゃない


最近斗真くんは午後からの授業はだいたい受けているし、お昼休みに消えることもなくなった



「菜々?」


「あ、今行く」



よかった、よかった


うれしいなぁ〜



私は安心して優ちゃんの後を足取り軽く追いかけていると



「倉田」


「はい?」


「コーヒー」


チャリッ…



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