彼を捕まえろ!〜俺様男はハート泥棒〜
「斗真くん、ありがとう」
「いや…お前が買ってきたんだろ」
それはそうだけど…
ここまでわざわざ持ってきてくれたってことだよね?
少なくともそれは私を思ってしてくれたことだよね?
それだけのことだけどメチャクチャうれしいんだ
私って本当に単純なんだよ
もうこんなことで笑顔が戻ってしまう
「ううん…でもありがとう」
斗真くんはそんな私を見て少し呆れたみたいに笑うけど
私は嬉しすぎて、持ってきてくれたパンを勢いよく頬張る
気を良くし過ぎて言わなくてもいいことをつい口にしてしまう
「浬世也は5個ぐらいペロッと食べちゃうよ〜」