彼を捕まえろ!〜俺様男はハート泥棒〜
「え〜!どれどれ?」
途中でその勢いを止めるのも不自然だったから、しかたなしに優ちゃんの所まで行ってチケットを見せる
「うわ!これ私も見たかったの!私も行っていいの?」
「もちろん…」
「何名までなの?」
「4名だって」
「じゃあ工藤も行けるね?」
は?
優ちゃん…
何てこと言うの…
この気まずい空気に気づいてる?
「は?俺がなんで…」
同じことを思ったのか斗真くんが露骨に嫌な顔で反論する
「いいじゃん、これで男女2、2でちょうどいいし」
「無理」
「え〜いいじゃない!」
「無理」
「え〜…それなら私もお邪魔だしやめとくよ〜」
そのやり取りを聞きながら嫌な汗が吹き出していく
優ちゃんは涼しい顔をして私にチケットを返しながら
「菜々、浬ぃくんと【2人きり】で楽しんでおいで」
「え!?」
そう言ってニッコリと笑う
この流れは何?
優ちゃん、何を考えてるの?
だいたい斗真くんが行くわけないでしょ
浬世也がいるのに…
「わかった…行く」