彼を捕まえろ!〜俺様男はハート泥棒〜



私はそれを聞いて顔を横に思いっきり振る


「ううん…私もなんか…熱くなって…ごめんなさい…」



斗真くんが謝ってくれるなんて思いもしなかった



あんなこと気にしてくれてる訳もないと思っていたからすごく嬉しい



「三宅優にもメチャクチャ怒られた」


「え?」



優ちゃんに?


優ちゃんに怒られたから謝ってくれたの?


なんか…


モヤモヤする…



斗真くんから外した視線が足元をさ迷っていると


フワッと体全体に重みが掛かって暖かな感触が広がる


「斗真くん…?」


「体冷えてるから早く中に入れよ」


「う…うん…」


「じゃあな」


そう言ってやさしい笑顔を残して去っていった



斗真くん…


どうして抱き締めてくれるの?


どうしてやさしい笑顔を向けてくれるの?


苦しいよ…












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