彼を捕まえろ!〜俺様男はハート泥棒〜
あきらめろ!
真実
「おはよぉ〜」
「おは〜」
校門を潜ると、そこかしこで聞こえてくる挨拶を交わす声
よく冷えた朝の空気に身震いしながら、私はフラフラと校舎までの道を歩いていた
うーん…
昨日、なかなか寝付けなかったから眠いな…
そんなことを考えながら歩いていると
その挨拶の行き交う中で、私を呼ぶ声が聞こえた
「倉田、ちょっといいかな?」
「え?」
振り向くとそこには1年の時に同じクラスだった松崎くんが立っていた
「おはよぉ、どうしたの?」
「うん、ちょっとこっち…」
そう言って校舎までの道をそれて、近くに立っている大きな桜の木の下に連れていかれる
この桜の木、春になったらメチャクチャ綺麗なんだよねぇ〜
またそんなことを考えて桜の木を見上げていた
「あのさ…」