彼を捕まえろ!〜俺様男はハート泥棒〜



その拍子に握っていた松崎くんの手が離れてしまった


「誰が顔だけだ?」


「菜々子…中身空っぽって俺のこと?」


「………」


この声…


後ろを振り向けないんですけど…


「倉田…んじゃ…またな…!」


松崎くんは私の後ろを見て、真っ青になりながら逃亡を図る



「ちょ!松崎ー!裏切りモノのユダめー!」


私は松崎くん目掛けて手を伸ばした


「あほかお前は」


ボカッ!


「痛い!」


私は叩かれた頭を押さえながら、恐る恐る首だけ後ろを振り向くと



予想通り


私の左肩を掴んでいる斗真くんと



私の右肩を掴んでいる浬世也がそこに立っていた



「えへ!おはよぉ!」



私は咄嗟に二人から離れてなんとかそこまで言ったけど反応がない



やばい…


なんか二人とも怖い…







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