彼を捕まえろ!〜俺様男はハート泥棒〜



「ハァハァ…ごめん…」



私は優ちゃんに持っていたパンを渡しながら、息を整える



そして優ちゃんに聞きたかったことを早速ぶつけてみる



「優ちゃんさ…」


「ん?」


「この間…バッチとか言ってなかった?」


「へ?」


優ちゃんは私の買ってきたジュースにストローを差しながら、意味がわからないって顔を私に向ける



「…バッチ?」


「うん…ほら、この間浬世也にお弁当作ってきて…」


そう言うと優ちゃんはその時のことを思い出したのか顔を赤くする



「あの時は作ってきてよかったなぁ〜…まさか浬ぃくんが食べてくれるなんて」

そう言ってあの日を思い出すように遠い目になる



うん…


わかるよ


私もそれとまったく同じ気持ちだもん




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