彼を捕まえろ!〜俺様男はハート泥棒〜


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「ん」


「…ありがとう…」


ソファーに座ったまま、浬世也が差し出してくれたココアを受けとる



一口飲むと、甘い香りが広がって、冷えた体が一気に暖かくなって気持ちが落ち着いていくのを感じる



私はあの後、浬世也に引きずられるように家まで帰って来ていた



泣きじゃくる私を宥めながら帰ってくるのは大変だっただろう



そんな浬世也は自分用のマグカップを持ったまま私の隣にすわると、チラリと私を覗き込んだ



浬世也は昔からいつもこうだ


無理矢理話を聞き出そうとはしてこない


私が話し出すまで、ただただ私の隣にずっといてくれる



だから私も毎回何かあると浬世也ばかり頼ってしまう



「浬世也…ごめんね…」


「え?」


「また迷惑かけちゃったね…」


「別に…迷惑じゃねーよ?」


そう言って私の頭をやさしく撫でてくれる


浬世也は何だか今日はお兄ちゃんみたいだ


いつもはヤンチャな弟なのにね



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