彼を捕まえろ!〜俺様男はハート泥棒〜
浬世也の手が私のトレーナーの裾から侵入して体がビクリと跳ね上がる
「浬世也…!」
それと同時に首元をはう浬世也の唇
「いや…!!」
リップ音と共に微かな痛みが首元に広がる
「や…浬世也…やだよ!」
何度も何度も何かを刻むように繰り返される痛み
私はバカだ
浬世也がここまで思い詰めるまで全然気づかなかったくせに
今さらやめてくれなんてムシのいい話なんだ
浬世也にはずっと苦しんでいたのかもしれない
それに気付きもしないで勝手な行動ばかりとって
ここまで追い詰めたのは私じゃないか
そう思うとどうしようもなく泣けてきた
「浬世也…ごめ…ヒック…ごめん…なさい…」