彼を捕まえろ!〜俺様男はハート泥棒〜
私のその言葉に弾かれたように顔を上げた浬世也
「菜々子…」
浬世也は泣いている私を見て、急に現実に戻ったように申し訳なさそうな顔をする
そして私を掴んでいた手の力を緩めて起き上がった
「俺こそごめ…」
そこまでいって苦しそうに自分の頭を抱え込む
浬世也…
自分を攻めないで…
浬世也は何も悪くなんかない
私は起き上がってそんな浬世也を抱き締めると
「ごめん…気づかなくてごめんね…」
「菜々子…」
苦しかったよね
叶わない恋をするのは苦しい
その気持ちは痛いほどわかるから
「浬世也が私を必要ならそれでいいよ」
「え…?」