彼を捕まえろ!〜俺様男はハート泥棒〜



家の外に出るとそこには浬世也がズボンに手を突っ込んで、民家の塀に背中を預けて立っていた



「おはよ」


「…おはよう」


浬世也は少し言いにくそうに、でも笑顔を向けて話し出す



「一緒に行きたいと思って、めっちゃ早起きした」



私もその言葉にニコッと笑って頷いてから歩き出すと、浬世也もその隣に並んで歩き出した



浬世也は歩きながら私をチラチラ見ると自分の首を指差しながら



「首、治んなかった?」



ドキッ!!!



私はその言葉に心臓が跳ね上がるほど驚いて、髪の上から首を押さえる



「え!目立つ!?」



「いや…あんまりわかんないけど、菜々子んち帰る時から気になってたから…なんかゴメン」



「え…いいよいいよ…今度から気をつけてくれれば…」



ってあたしバカ!?


今度から気を付けろって何それ!


注意するとこそこだけじゃないじゃん!


まるでそんなことしなければいつでもどうぞって言ってるみたいじゃん!



そんなことを考えながら顔が真っ赤かになる




「ぷっ…」



は?



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