彼を捕まえろ!〜俺様男はハート泥棒〜



見ると浬世也が口を押さえて笑っている


「何?」


私は恥ずかしさも手伝ってちょっと不機嫌な声を出す


浬世也は笑いをこらえて私を見ながら


「いや…菜々子、ホントにごめんな」


「え?」


「普通でいいから」


「………」


「俺さ、菜々子に気持ち言えただけで満足してるからさ」


私はそう言って笑顔を向ける浬世也に何も言えなかった



「正直、今までの方がきつかったから…」



浬世也は伏し目がちに話し出す



「ホント言うと俺、菜々子に初めて会った時から惹かれてて…何かそういうのマズイだろ?
だから中学の時は散々遊んだ時期もあったし」



初めて聞く浬世也の話しに私はドキリとした



そんな前から想っててくれたとは思いもよらなかったから



「一昨日はちょっと暴走しちゃったけど…俺、今すぐ菜々子をどうこうしようとか思ってないからさ」



顔を上げた浬世也の視線と視線がぶつかる




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