彼を捕まえろ!〜俺様男はハート泥棒〜
「菜々はどうするの?」
「え…」
どうするって言われても…
「まあ工藤のこともあるしどうしようもないか…」
「………」
斗真くんのこと…
優ちゃんを好きなことがわかった今となっては
どうしたらいいかわからない
ううん、どうしようもないんだよ…
「優ちゃん…ごめん…」
「え?」
「浬世也の気持ちに出来るだけ答えてあげたいと思ってる…」
それを聞いて今度は優ちゃんがビックリした顔で私を見ている
「え…って工藤のことは?諦めるってこと?」
私は少し間を開けて、黙ってコクリと頷くと
「斗真くんは始めから私には無理だったんだよ…
それに浬世也はずっと私を支えてくれてたし…」
優ちゃんは私から顔を反らすと窓の外に視線をさ迷わせる
私、すごく勝手なこと言ってる
こっちがダメならこっちって思われてるかもしれない
「とりあえず教室に行こ…」
私はそう言われて、優ちゃんの後を重い足取りでついていった