彼を捕まえろ!〜俺様男はハート泥棒〜
「斗真くん…!!」
今日、散々避けていた相手に呆気なく捕まってしまう自分が情けない
「俺、何かした?」
「離して…!」
「嫌だね」
斗真くんがすごく近い位置にいて、それに気づいた心臓が素直に大きな音で騒ぎ出す
せっかく避けてたのに
またこんなんじゃ逆戻りじゃんか
「とにかく、こっちこい」
斗真くんに引きずられるように空き教室の中に連れて行かれる
「やだやだ!」
私は教室に入っても何とか逃れようと手に力を込めて抵抗していた
「何なんだよお前は!」
ダンッ━━━━……
手首を壁に押し付けられて、もう一方の手も斗真くんに掴まれる
「ワケわかんねーんだけど?」