彼を捕まえろ!〜俺様男はハート泥棒〜
至近距離の斗真くんに結局ドキドキしている自分がいる
くやしい…
どうしようもなく、くやしい…
斗真くんは何も考えずにやっている行動の一つ一つに
いちいち反応してドキドキしてしまうバカな自分が一番くやしい
「私に避けられたって斗真くんには関係ないじゃん…」
「は?」
腹が立って口から出たのはそんな言葉
もう頭の中はグチャグチャ
自分がかわいくないことを言っているのは充分にわかっている
でもそれは本当のことだし、これ以上私を振り回すのはやめて欲しい
「斗真くんは好きな人いるんでしょ!?」
「………」
「じゃあもう、こういうのやめた方がいいんじゃない?」
斗真くんは何も言わずにジッと私を見つめてくる
もうやめて
見ないでよ