彼を捕まえろ!〜俺様男はハート泥棒〜
浬世也の顔も斗真くんと同様の傷があって、痛そうに口元を抑えながら呟いた
「あいつ手加減しねーから、いてーのなんのって」
その『あいつ』は確実に斗真くんを指している
そして周りの視線の理由
噂はこうだ
『東の斗真と西の浬世也の直接対決』
『優ちゃんを巡って殴りあいの争奪戦』
私は浬世也の胸ぐらを掴んで引き寄せた
「何してんの!?」
私がやっとこ絞り出した言葉に浬世也はギョッとする
「菜々子…痛いんだけど」
「そんなの知らない!なんで斗真くんを殴ったりしたの!?」
優ちゃんは私の行動に驚いて宥めると
とりあえず食堂から出るように促す
私たちは食堂の外の誰もいない中庭に移動していた