彼を捕まえろ!〜俺様男はハート泥棒〜



浬世也の顔も斗真くんと同様の傷があって、痛そうに口元を抑えながら呟いた



「あいつ手加減しねーから、いてーのなんのって」



その『あいつ』は確実に斗真くんを指している



そして周りの視線の理由



噂はこうだ


『東の斗真と西の浬世也の直接対決』


『優ちゃんを巡って殴りあいの争奪戦』



私は浬世也の胸ぐらを掴んで引き寄せた


「何してんの!?」


私がやっとこ絞り出した言葉に浬世也はギョッとする



「菜々子…痛いんだけど」


「そんなの知らない!なんで斗真くんを殴ったりしたの!?」



優ちゃんは私の行動に驚いて宥めると

とりあえず食堂から出るように促す



私たちは食堂の外の誰もいない中庭に移動していた





< 237 / 315 >

この作品をシェア

pagetop