彼を捕まえろ!〜俺様男はハート泥棒〜
ドキンッ━━━……
理世也の悲しそうな瞳を見て我に返る
「俺はどうすればいいのか、俺にどうして欲しいのか教えろよ!」
浬世也が感情をむき出しにして私の両腕を掴む
こんな浬世也
初めて見るかもしれない
「浬世也…」
「菜々子はずりーんだよ…」
ズキンッ━━━━……
「俺に何もして欲しくなければ俺を見なければいい」
浬世也…
「俺のところに来なければいい」
浬世也は強く掴んでいた私の腕を静かに離した
そして怒りと悲しみに満ちた顔を背けて背中を向ける
「迷った目をして俺を見るな…不安そうな目をして俺のところにくるなよ!」
私はその場にヘタリ込んでいた