彼を捕まえろ!〜俺様男はハート泥棒〜
それから斗真くんは呆気ないほど寸なりと私を解放してくれた
私をその場に置いて去っていく斗真くんの背中
斗真くんに触れていた唇が熱い
好き
好き
好き
それしかない
私はどこにも行けずにただ一人ぼっちでうずくまって泣いていた
どれぐらい泣いていたのか
遠くから優ちゃんの声が聞こえてくる
「菜々!?」
ガサッ━━!
「あ〜よかったー!いたー!」
優ちゃんが休み時間に探しに来てくれたようだ
私を見つけると膝を付いて激しい呼吸で肩が上下している