彼を捕まえろ!〜俺様男はハート泥棒〜



あ…


やばい、声を出してしまった


「何を付けてないって?」


松崎くんは自分のしていた話を途中でやめて、私が言った言葉に食いついてくる



「あ、いや…たいしたことじゃないんだけど…校章…」


「え?ああ…!」


「男子で付けてない人結構いるよね…」



そうだよ…


付けてないことにこだわる方がバカげてる



松崎くんはそれを聞いて、急に照れたような顔をして話出した



「いやぁ〜…これは何て言うか…告白する勇気はないけどバッチだけでもと思って…」



は?



私は松崎くんにわからないって意味を込めて顔を向ける



「あれ?バッチの意味知らない?」


「いや…知ってるけど…」


「まあだからせめてバッチだけでも近くに置いてもらえればと…」


「ちょっと待って!」



私は松崎くんの話を片手を上げて遮ると、もう片方の手で頭を押さえた



待って


何て?


今なんて言った?




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