彼を捕まえろ!〜俺様男はハート泥棒〜



「あ!」


私は床に目をやって事態に気づくと、急いで棚から下りて屈み込んだ



そうだった…


斗真くんのカバン、ひっくり返してたの忘れてたよ



私は本やノートを拾ってカバンの中に詰め直しながら、斗真くんの足元に転がっている意外な物に目がとまる



なにあれ?



不思議に思いながら、落ちているそれを拾って見つめる



「え…これって…」



そこまで言って斗真くんを見上げる



「何?」


「これ…斗真くんの?」


「うん、そうだけど?」



え…


でもこれって…



「斗真くんって目、悪かった?」



私は拾ったメガネケースを持ったまま斗真くんの目の前で立ち上がった





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