彼を捕まえろ!〜俺様男はハート泥棒〜



「悪かったっていうか、最近見えにくくなった気がして買った」



そう言った斗真くんが目を細めながら再び窓の外に目を向ける



「本ばっか読んでるから目が悪くなったかも」


「あ!」



斗真くんがその私の声にビックリして振り替える



「何…?」


嘘…


まさか…



「斗真くん、あの人の顔見える?」


「え?」



私は窓の外を通りかかる人を指差して斗真くんに訪ねる


斗真くんは見えにくそうに目を細めてから答えてくれた



その横顔は少し微笑んでいる様にも見えて…



「見えるワケないだろ…あんなに遠いのに…」



ああ…


嘘みたい


涙が出てきそう






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