彼を捕まえろ!〜俺様男はハート泥棒〜
「お前のその髪型と顔、うちで飼ってるダックスとそっくりだから」
は?
ダダダダ、ダックス!?
「思い出した、ククッ…前に転けた時もそれが可笑しくて」
「ちょっと…」
「あいつもウルウルした目で見てきて、反則技ばっか使うんだよ」
「ちょっと!」
「ん?」
人の襟首を掴んで
優しく笑ってくれて
思い出してたのって
それってまさか
「犬?」
「そうだけど?」
は━━━━━!?
斗真くんはそれを聞いて呆然としている私の顔を覗き込むと
また最高の笑顔を私に向けてくれた
けど
「いやだ━━━━━━━━━━━━━━!!」
そうして握った手のひらにはあの日、斗真くんから絡め取った青色の校章