DIA-ダイヤ-
あまり広くはない店内だけど、フルーツいっぱいのケーキと可愛くラッピングされたこんがり焼かれたクッキーがあり、一気にテンションが上がる。


ゆったりしたピアノの音の中でゆっくり店内を見渡す。


「あれ?」


ラブリーな店の中に少し目立つ男を発見。


背が高くてキャップを深くかぶり、黒のカウボーイシャツに濃いめのジーンズ。


腰に鎖がジャラジャラしてて、ネックレスにリングにブレスという非常に重そうな格好。


「なんかケーキ屋似合ってないなー」


クスッと笑ってしまった。


「あ、彼女と来てるってことか」


それらしい人を探してみたけど、お客は私とその男だけだった。


「なら、プレゼント?」


私に観察されてるなんて知りもせず、男はケーキがならぶショーケースに近づいていった。


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