DIA-ダイヤ-
私も後ろからケーキを選びながら、男がどれを選ぶかなんとなく気になって見ていた。


「えーと、モンブラン一個」


「はい、モンブランですね」


一見メイド喫茶風のフリフリを着た店員さんが、笑顔で答える。


(モンブランって、ケーキ的には少し地味目だけどおいしいよねー)


少し間があり


「以上です」


キッパリ言い放った。


「はい、ありがとうございます」


フリフリの店員さんが箱に入れ始める。


(ん?一個?彼女へのプレゼントなら、2~3個くらい買っていってあげないの?)


不思議に思っている中、男は会計を済まして外に出るため私の方に振り返った。


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