DIA-ダイヤ-
「噴水なんて全然気づかなかったなー」


サラサラと湧き出る水に引き寄せられるように、歩き出した。


「まだ寒いから、そんな時期じゃないか」


Uターンしようとしたら、噴水の陰に見覚えのある後ろ姿が。


「あ、さっきのモンブラン男!?……噴水も似合わないって」


少し興味を持ったから、そのまま進み知らん顔で横を通ろうとした。


「あ゙ぁっ!!」


低くて短い突然の悲鳴に、思わず私は少し飛び上がる。


(びっ、びっくりさせないでよ!モンブラン男!)


見てみるとさっき買ってたモンブランが水面に浮いていて、男が手を出した瞬間、沈んでいった。


ピクリとも動かずに止まったままの男。


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