DIA-ダイヤ-
願い。
翌日、私は時間通りに悠斗のアパートに行った。


(きっとわかってくれる)


長袖のカーディガンで包帯を隠して、不安を振り払いながらチャイムを鳴らす。


ガチャリ


悠斗がドアを開けて一瞬目が合ったけど、無言で中に入るように促した。


私はおずおずとドアを後ろ手で閉める。


「悠斗、ごめんね。…まだ怒ってる?」


重苦しい雰囲気の悠斗に私は玄関に立ったまま聞いてみた。


早く、いつものケンカのあとみたいに抱き締め合いたい。


泣いた私に優しく仲直りのキスをしてくれる悠斗に、早く戻って欲しかった。


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